■[Mesh]斜めテクスチャとひし形メッシュのメモ
今回は、斜めテクスチャとひし形メッシュを使用する小ネタを紹介させていただきます。
■概要

エフェクト用のテクスチャを作るにあたり、十字光や水平光、扇型に広がる衝撃波など、たまに「シルエットがひし形に収まるなぁ」というものが度々あります。
これらを使う際に、縦横ではなく、斜めにテクスチャを収め、それ用のひし形メッシュを用意する事で、テクスチャや描画面積の余白を減らせないかという試みです。
■運用1 ひし形シンプル

というわけで早速、斜めテクスチャとひし形メッシュを用意しました。
通常のクアッドと比較すると、このようなイメージになります。
■向きについて

今回はUnrealEngineで使う事を想定しているので、左上を下にしています。
これは、UnrealEngineのUV座標系の原点(0.0)が左上なので、それに合わせています。
BlenderやUnityで運用する場合は、UV座標系の原点(0.0)は左下なので、そちらに合わせるとUVグラデーションを活用する時に都合が良いかと思います。
■ひし形の中央に辺を入れて頂点を動かしてみる。

ひし形メッシュは当然四角形ですので、内部的には三角ポリゴンが2つくっついた状態です。
この切れ目の辺を縦に入れる事で、頂点を動かしても歪みがデメリットになりにくく、アレンジパターンをいくつか作ることができます。

参考までに、おおまかな変形サンプルを一覧として並べてみました。
十字光などは相性が悪いですが、変形の仕方の一例として乗せております。
■運用1の2 変形ひし形を並べて放射状に

こうしていくつかのひし形メッシュのアレンジを作成したら、それを放射状に配置することで、扇形テクスチャを流用した放射エフェクトパーツを作ることができます。
■運用2 ひし形頂点を増やしたアレンジ
4頂点でもなかなか幅広いアレンジが出来るひし形メッシュですが、少しだけ分割を加えると、また一味違ったアレンジを作れます。
■運用2の1 中央パイク

中央に点を加え、4頂点へと辺を伸ばした形です。
テクスチャの中央を任意の位置にずらせます。
■運用2の2 外側に辺を追加

こちらは、根元から反対側2辺を分割した形です。
扇形衝撃波テクスチャの外側シルエットを更に変化させることができます。
頂点を加えればそれだけ加工も多彩になりますが、あまり増やしすぎても調整の手間が増えてしまいます。
基本的にはひし形メッシュ単体の頂点数は、10頂点以下に抑えたほうが扱いやすいと思います。
■デメリットについて
斜めにテクスチャを用いている都合上、いくつかデメリットがありますので、思いつくものを記載いたします。
・ジャギが起こりやすい向きが異なる。
斜め方向が縦横になるため、細い線のテクスチャはジャギが目立ちやすいです。
ただ、斜め状態で引き伸ばされるので、少々ですがドットバレが紛れやすくなる場合もあります。
・UVサイズ・スクロール効果とは相性が悪い
斜めにテクスチャを用いている都合上、UVスケールやスクロールとは相性が悪くなります。
サブテクスチャを用いる場合、通常のU方向、V方向ではなく、斜めに変形できる特殊な仕組みの検討が必要になります。
今回は以上となります。
多少の扱いづらさはありますが、テクスチャ容量と描画面積、そして1枚のテクスチャから少ない頂点のポリゴンメッシュでいくつかの差分を作れるネタではないかと考えております。
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